漢方・生薬の煎じ方と効果


漢方・生薬の煎じ方と効果について

漢方薬の中で一番効果が高い飲み方が、生薬を煎じて飲む方法です。漢方薬をお茶のように熱湯で成分を抽出して飲む方法なのですが、非常に手間のかかる方法でもあります。
煎じ薬の飲み方にはいくつかのポイントがありますので、それらを踏まえて効果的に漢方薬を役立てることが大切です。

漢方の生薬を煎じるのはお茶に近いのですが、実はかなりの違いがあります。お茶の茶葉のようにすぐにお湯へ溶け出すことがないので、手間と時間が必要になります。
用意するのは煎じるための器と湯呑みですが、金属類を使用してはいけません。電気ポットは金属が含まれますし、最近使いやすくなっている電気ケトルも煎じ薬には適しません。土瓶や耐熱ガラス製のもので、直接火に当てても問題のないものを使用しましょう。

煎じ薬を入れる前に、まずはお湯を沸かしましょう。熱湯になるまで沸かすことができたら、ここでいよいよ煎じ薬を投入します。この時は火を弱めて長い時間煮込み、お湯の量が半分程度まで減るまで続けます。
お湯が半分入っている時の水位を覚えておくことは意外と重要であり、事前にチェックしておくことがおすすめです。軽量カップなどを上手に使って、おおよその位置を確認しておきましょう。

煎じる時間は漢方薬の種類によって異なるため、処方された時によくお話を聞いておきましょう。
煎じている間は、常にお湯と火の状態を見て、強くしたり弱くしたりして調節します。煮こぼれしない程度に保ちましょう。蓋はとっておき、お湯を蒸発させるようにします。
しかし火を掛けっぱなしにして離れてしまうと、火事に繋がる恐れもありますので、細心の注意を払いましょう。
煎じ終わったら、茶こし器などを使って煎じたお湯のみを取り出します。煎じたお薬はすぐに飲むのが理想的ですが毎回のように繰り返すのは大変なので、一日分を3度に分けて飲むようにしましょう。明日のために、冷やしてストックしておくのも一つの方法です。
これらの作業が面倒に感じたら、金属部を使用しない専用の電気煎じ器があります。これはタイマーも付いており大変便利なので、長く漢方薬を飲む場合にはぜひ活用しましょう。

ここまで大変なのに、なぜ煎じ薬を飲むのでしょうか?
私たちが普段飲んでいる薬はエキス剤と呼ばれるものであり、薬の有効成分のみを製薬工場にて抽出したものを、粉や錠剤にしたものです。この方法は大変便利なのですが、薬としての効果が3割以上は落ちているという報告もあります。
しかし生薬を煎じて飲む方法であれば、薬の効果を全て引き出すことができるのです。効果の高いのみかたをぜひ実践していきましょう。


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